吊り戸棚をやめて手の届く高さに絞った|よく使う物の置き場所

手の届く高さにまとめたキッチンの収納棚

キッチンの吊り戸棚を、半年ほど前から使っていない。扉を開けることすらしていない。中身を全部下ろして、空にしたまま放置している。

そのぶん低い位置の棚を足すことになった。置き場所を決め直すときに候補として見ていたものを、先に挙げておく。

きっかけは、踏み台に乗って奥のものを取ろうとして、手前の器を落としたことだった。割れた器を片付けながら、そもそもこの高さに何かを置く必要があるのか、と考えた。

何が入っていたか

下ろしてみたら、こういうものが出てきた。

  • 来客用の食器一式(過去二年で一度も使っていない)
  • もらいものの調理器具(開封していないもの二つ)
  • 使わなくなった弁当箱
  • 紙皿と紙コップの買い置き
  • 何かの箱(中身は空だった)

使っているものが一つもなかった。取り出しにくい場所だから使わなくなり、使わないものだから取り出しにくくても困らない。この循環が完成していた。

処分したのは、開封していない調理器具と弁当箱、それから空の箱。紙皿と紙コップは防災用の備蓄と一緒にまとめ直した。来客用の食器だけは判断がつかず、いったん保留にしている。

吊り戸棚が並ぶ明るいキッチンの収納棚

使う高さを絞った

今は、腰から目の高さまでの範囲にすべてを収めている。踏み台もしゃがむ動作も要らない範囲だ。

当然、収納できる量は減る。減ったぶんは処分するか、別の部屋に移した。来客用の食器は年に数回しか使わないので、廊下の収納に移動させた。取りに行く手間はあるが、年数回なら問題にならない。

結果として、キッチンで使うものが厳選された。使う頻度が高いものだけが手の届く高さにあるので、調理中の動きが止まらない。食器棚まわりを見直した話でも似た結論になったのだが、収納は容量より取り出しやすさで決めたほうがいい。

下の引き出しについても、しゃがまないと見えない一番下の段は使い方を変えた。細かいものを入れると奥が見えなくなるので、鍋やボウルのような大きくて数の少ないものだけを入れている。見なくても手探りでわかるものなら、低い位置でも困らない。

空いた吊り戸棚をどうするか

ここはまだ結論が出ていない。今のところ空のままで、扉を閉めてある。

撤去してしまうという選択肢も考えた。壁が広くなって圧迫感が減るという話も聞く。ただ、賃貸なので手は出せないし、将来また使いたくなる可能性もゼロではない。

今は、季節の家電の箱を入れる場所として使っている。年に二回しか触らないものなら、取り出しにくくても構わない。空にしてから半年、掃除の対象からも外れたので、拭き掃除の範囲がひとつ減った。

吊り戸棚の下に照明が付いている場合は、そこだけ生かすという手もある。うちは手元灯が付いていたので、棚は使わずに照明だけ使っている状態だ。

やってみて思ったこと

収納が足りないと感じていたのは、量の問題ではなく配置の問題だった。使わないものが一等地を占めていて、使うものが押し出されていた。

片付けというと、まず捨てる話になりがちだ。ただ、捨てなくても、置く高さを変えるだけで使いやすさは変わる。続いた片付け習慣を振り返っても、続いたのは捨てる作業ではなく、置き場所を決める作業のほうだった。

踏み台は、今も洗面所に一つだけ残してある。キッチンからは消えた。

上を空けたぶん、低い位置に棚を足した

吊り戸棚をやめると、当然ながら置き場所そのものは減る。下ろした分をすべて処分できたわけではないので、シンク下と作業台のあいだにあった中途半端な空間に、突っ張り式の棚を一段だけ足した。工具も釘も使わずに済むので、賃貸でも気兼ねがない。

選ぶときに見たのは奥行きだった。深いものを選ぶと結局奥に物が溜まり、吊り戸棚と同じことになる。二十五センチ前後までに抑えると、置いたものが正面から全部見えるので、奥に押し込むという動作自体が起きない。伸縮するタイプなら設置してから幅を詰められるので、採寸を少し外しても収まる。

ひとつ気をつけているのは耐荷重で、突っ張り式は表示より余裕を持たせたほうがいい。重い鍋類は今も床に近い引き出しに入れたままで、棚に載せているのは乾物や調味料の詰め替えといった軽いものだけにしてある。

重いものまで含めて高さを決め直すなら、突っ張り式ではなく支柱を立てるタイプのほうが素直だと思う。棚板の高さを組み替えられるスチールラックなら、あとから一段ぶん下げるといった調整が効く。うちはまだ突っ張り棚で足りているので導入していないが、鍋類まで上げたくなったらそちらに替えるつもりでいる。

よく使う調味料だけ手の届く範囲に残す

高さを絞ったあと、何を手前に残すかでもう一度整理している。

以前の置き方と、今の置き方

以前は、背面のオープン棚に調味料を十四種類まとめて並べていた。見た目としては整っていたし、どこに何があるかもすぐわかる。ただ、コンロからは体半分ぶん振り返る必要があり、しかも高さがあるので上の段は手を伸ばす動作も加わっていた。

今はコンロ横の幅20センチほどのすき間に、塩・こしょう・しょうゆ・みりん・サラダ油の五つだけを置いている。この五つで平日の夕食はほぼ回る。残りの九種類は、コンロ下の引き出しに立てて収納した。使う頻度が週一回以下のものばかりなので、一手間かかっても支障がない。

分ける基準は「週に三回以上使うか」の一点だけにした。感覚で選ぶと、なんとなく全部残したくなる。実際に一週間、使った調味料を紙にメモしてから決めたら、思っていたよりずっと少ない種類しか使っていないことがわかった。中華調味料などは、あると思って買い足して二本になっていたものもあった。

置き場所を絞ってから起きた変化

いちばん効いたのは、コンロ前から動かなくなったことで火から目を離さなくなった点だった。焦がす回数が明確に減り、味付けを足すタイミングも迷わなくなった。副次的に、コンロ横に油はねが集中するので掃除の範囲がはっきりし、拭く場所が固定されたのも助かっている。

逆に、想定していなかった手間もある。引き出しに移した調味料は、目に入らないぶん存在を忘れやすい。使わないまま賞味期限を過ぎたスパイスが二つ出てしまったので、今は引き出しの内側に中身を書いた紙を貼って、月に一度だけ上から眺めるようにしている。それでも、コンロまわりに全部を並べていた頃より管理はしやすい。

もう一点、コンロ横に置くものは容器の形をそろえたほうがいい。高さがばらばらだと、奥のものを取るときに手前を一度どかす動作が入る。うちは詰め替えずにそのまま置いていたので、しょうゆのボトルだけ背が高く、結局それが引っかかっていた。同じ高さに揃えてからは、見ずに手を伸ばしても取れるようになった。

調理台まわりは、道具を増やすより先に置き場所を決め直すほうが効く場面が多いと感じている。手が届く範囲は限られているので、そこに何を置くかは実質的に優先順位を決める作業でもある。

作業の順番そのものを見直したい人はまな板を複数枚に増やしたら洗い物の順番待ちが消えた効果、平日の調理そのものを軽くしたい人は下味冷凍を週末にまとめてしまう段取りも参考になるはずだ。

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