水切りかごをやめてから食器を乾かすまで|吸水マットと棚で足りるか

水切りかごを置かずにフックで吊るしたキッチンのシンクまわり

シンクの横がいつも濡れている。水切りかごの下に水が溜まり、その水が乾く前にまた食器が積まれる。かごの脚のまわりに白い汚れが付き、それを落とすのに月一回の作業が必要だった。

かごの代わりに敷いているのは大判の吸水マットで、洗って干せば翌日には乾いている。厚みがあるほど水を吸うが、そのぶん乾くのも遅くなるので、うちは薄手のほうを二枚で回している(別の通販サイトの取り扱いページもある)。

かごを撤去して、吊るす方式に切り替えた。手順としては単純だが、いくつか順番があるので書いておく。

手順1:一日に洗う量を数える

先にこれをやったほうがいい。うちは食洗機を使っているので、手洗いするのはフライパンと包丁、それに食洗機に入らない大きな鍋くらいだった。一日に三点か四点。

この量なら、かごは要らない。逆に、家族の人数が多くて手洗いが中心なら、この方法は向かないと思う。食洗機は元が取れるのかを考えた話のときにも書いたが、洗う量の前提が変わると最適な答えも変わる。

シンクに置いたスポンジ入りのステンレスかご

手順2:吊るす場所を決める

シンクの上に、幅の狭い棚を一段渡した。ここにフックを並べて、洗ったものを引っ掛ける。落ちた水はそのままシンクに入るので、拭く場所が発生しない。

取り付けたものは次の三つ。

  • シンクをまたぐ形の細い棚(工具なしで設置できるタイプ)
  • S字フック四つ
  • まな板と鍋蓋を立てられる仕切り一つ

棚を選ぶときは、シンクの内寸ではなく、シンクの縁から縁までの距離を測る。ここを間違えて一度買い直している。

棚の高さも確認がいる。蛇口を持ち上げたときに当たらないか、上げ下げして試したほうがいい。うちは一段目を低くしすぎて、シャワーに切り替えるときにヘッドが引っかかった。数センチ上げるだけで解決したが、設置してから気づくと面倒だ。

吊るせないものへの対応

茶碗や小皿のように、引っ掛けられないものはどうするか。うちはこれを吸水マットで受けている。使うときだけ広げて、乾いたら畳んで引き出しにしまう。常設しないので、シンクまわりに置きっぱなしのものが増えない。

包丁だけは吊るしていない。刃物を目の高さに引っ掛けるのは落ちたときが怖いので、洗ったらすぐ拭いて収納するという扱いにした。乾かす対象から外してしまうほうが早い。

手順3:一週間だけ様子を見る

かごをすぐに処分せず、別の場所に置いて一週間試した。戻したくなる可能性を残しておいたほうが、切り替えの心理的な負担が少ない。

実際には四日目で「もう戻さない」と判断できた。シンクまわりが乾いている状態が続くのが、思っていた以上に気分がいい。白い汚れを落とす月一回の作業も消えた。

フックは金属製のものが錆びたので、途中で樹脂のものに替えている。道具を長く使うためのメンテのコツにも通じるが、水回りに置くものは素材で寿命が決まる。

かごをやめて困るとしたら、来客時などで一度に大量に洗う日だろう。そういう日は、畳んでしまってある吸水マットを二枚出して床の見えない範囲に広げている。年に数回のことなので、常設する理由にはならなかった。

かかった費用は棚とフックで三千円ほど。シンクの横に何も置かない状態を保てるようになったので、拭き掃除の範囲も狭くなった。

乾燥機を置かずに棚で済ませる

かごをやめたあと、置き場所そのものをどうするかでもう一度悩んでいる。

乾燥機を使っていた頃

以前は食器乾燥機に食器を並べて乾燥させ、乾いたらまとめて棚にしまうという流れだった。一度にたくさん洗える便利さはあったが、乾燥機自体のお手入れ(水受けトレーの掃除やフィルターのカビ対策)が地味に手間で、気づけば数週間放置してしまうこともあった。また、乾燥機がシンク横の場所を常に占領していたため、洗い物を並べるスペースが常に窮屈だった。

ワイヤーラックに戻してからの変化

ワイヤーラックに戻してからは、洗った食器をその場で立てかけて自然乾燥させ、乾いたらすぐ棚に戻すという流れになった。乾燥機の稼働を待つ工程がなくなった分、洗い物から片付けまでの時間が体感でかなり短くなった。ラック自体も丸洗いできるステンレス製を選んだので、お手入れの手間もほぼゼロになった。

意外だったのは、乾燥機がなくなったことで洗った食器の量が一目で分かるようになり、「洗いすぎない」意識が自然と身についたことだ。以前は乾燥機の容量いっぱいまで洗い物を溜め込んでしまう癖があったが、ラックだと見た目にすぐ食器が溜まっているのが分かるので、こまめに片付けるようになった。見た目のコンパクトさだけで選んだつもりだったが、結果的に片付けまでのスピードと習慣そのものが変わったのは想定外の収穫だった。

ラック選びで気をつけたポイント

ラックを選ぶ際は、シンクのサイズに対して大きすぎないこと、そして水切れのよい底面デザインであることを重視した。安価なものの中には底面がプラスチックのトレー形状になっているものもあるが、水が溜まりやすくぬめりの原因になるため避けた。ステンレス製で足の部分が高く、下に水が抜ける構造のものを選んだ結果、シンク周りが以前よりも清潔に保てるようになった。

もちろん食器の量が多い家庭では乾燥機の方が向いている場合もあると思う。実際、一人暮らし時代に検討した一人暮らしのミニ食洗機とロボット掃除機、どっちを先に買うべきかでも書いた通り、家族構成や自炊頻度によって最適な時短家電は変わる。ただ、少人数世帯で洗い物の量がそこまで多くないなら、乾燥機を手放してシンプルなラックに戻すという選択肢も十分にありだと今回実感した。

もう一つ地味に助かっているのが、来客時の見た目の印象だ。乾燥機はどうしても存在感が大きく、キッチンが生活感の強い印象になりがちだったが、ワイヤーラックはシンクに馴染むデザインを選んだこともあり、来客前に慌てて隠す必要がなくなった。家電を減らすことが、掃除のしやすさだけでなく見た目のすっきり感にもつながるとは、やってみるまで気づかなかった点だった。

家電を「増やす」ことばかり考えていたが、今回はあえて「減らす」選択が時短につながった珍しいケースだった。

拭く一手間をなくす

浮かせる収納に移してからも、拭く工程だけはしばらく残っていた。

洗い物そのものは苦にならないのに、洗い終えた食器をふきんで拭いて棚にしまう「最後の一手間」だけがどうにも面倒だった。吸水速乾タイプのマットに変えてから、この一手間がまるごと消えた。

普通のマットとの違いは乾くスピード

今まで使っていたのは普通の布マットで、水を吸っても表面が乾くまで時間がかかっていた。吸水速乾タイプは繊維の作りが違うのか、置いた食器の水気がすっと引いていく感覚がある。マットの表面がべたついたままにならないので、雑菌の繁殖も抑えられている気がする。

乾いた食器から順にしまえるようになった

これまでは「まだ濡れてるから後で」と後回しにして、シンク周りに食器が溜まりがちだった。マットの上で自然に乾くようになってからは、乾いたものから順にしまえるようになり、シンクがすっきりした状態を保てている。この変化は思っていたより生活の快適さに直結していた。

ふきんの洗濯・交換の手間も減った

食器拭き用のふきんを使わなくなった分、洗濯や交換の頻度も減った。地味なことだが、家事の「気にかけること」が一つ減るだけで気持ちもかなり楽になる。

サイズもキッチンの広さに合うものを選んだので、無理なく置けている。食器を拭くという工程そのものがなくなったのは、想像していた以上に日々の負担を軽くしてくれた。

他の水回りにも応用できると気づいた

キッチンで効果を実感してから、洗面台にも同じ吸水速乾タイプのマットを置くようになった。歯磨き後の水はねや、化粧水のボトルの水滴もすぐに乾いてくれるので、水回り全体の「拭く」という行為そのものが減った。

色移りやカビの心配も杞憂だった

導入前は色の濃い調味料のボトルなどを置いたときの色移りが心配だったが、実際にはさっと洗えば元に戻るタイプを選んだこともあり、今のところトラブルはない。定期的に丸洗いする習慣さえつけておけば、カビの心配も特に感じずに使えている。

サイズ違いで用途を分けている

キッチンには大きめサイズ、洗面台には小さめサイズというふうにサイズを使い分けたことで、それぞれの場所にちょうどよく収まるようになった。ワンサイズで全部を兼用しようとせず、置き場所に合わせて選ぶのがコツだと思う。

拭くという小さな一手間がなくなっただけなのに、家事全体の負担感がずいぶん軽くなった。

子どもの食器管理にも一役買っている

子どもが自分で食器を片付ける練習をしている時期でもあり、拭かなくても自然に乾くマットのおかげで「拭けなくて水浸しにする」失敗を気にせず任せられるようになった。拭く工程がないぶん、任せられる家事が一つ増えた。

小さな家事道具の見直しが、これほど日々の気持ちに影響するとは思っていなかった。

水切りかごをやめたら、今度はシンクまわりの水はねが目についた。蛇口の向きと洗い方を変えた話は水はねを減らした蛇口の向きに書いた。

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