アイロン台を出すのが億劫で、シャツのしわを見て見ぬふりをする日が続いていた。それならと衣類スチーマーに切り替えたのが半年前になる。結論から言えば戻す気はないのだが、いいことばかりでもなかった。買う前に知っておきたかった点のほうが、いま書いておく価値がある気がする。ちなみに私が選んだのは、立ち上がりが一分以内の据え置き型ではない手持ちタイプで、同じような形のものは衣類スチーマーで探すと各社から出ている。
折り目はつかない
最初に困ったのがこれだった。スチーマーはしわを伸ばす道具であって、押さえつけて形を作る道具ではない。ハンガーにかけたまま蒸気を当てると全体はなめらかになるが、スラックスの折り目のような、きっちり立った線はつかない。仕事で折り目が必要な日は結局アイロンを出すことになり、しばらくは二台を併用していた。
いまは折り目が要る一本だけを別扱いにして、それ以外をスチーマーで済ませている。全部を一つの道具でやろうとしたのが無理だった、というだけの話だった。
水の補給と後始末が地味に増える
タンクが小さいので、シャツを三、四枚も続けると途中で水を足すことになる。アイロンなら一度で終わっていた作業に、給水という工程が挟まる。使い終わったあとに水を抜いておかないと内側に汚れが残る、というのも後から知った。
いまは洗面所で使うと決めて、給水も排水もその場で完結するようにした。置き場所を水道の近くにしただけで、この不満はほとんど消えている。
生地によっては効きが弱い
薄手のシャツやブラウスにはよく効くが、厚手の綿や、乾いてから時間の経ったしわには何度も当てる必要があった。洗濯機から出してすぐ、湿り気が残っているうちにハンガーへ通しておくと、当てる回数が半分くらいで済む。道具を変える前に、干し方を変えたほうが早かった場面もある。
それでも手放さないのは、取りかかるまでが速いからだ。アイロン台を出して、広げて、片付けるという三工程がなくなり、出かける直前の五分で襟元だけ整えるという使い方ができるようになった。しわを完璧に伸ばすことより、しわのまま出かける日を減らすことのほうが、私には効いた。
半年使って、置き場所と出番が固まってきた
買った当初は、週末にまとめてシャツを整える道具のつもりでいた。実際には、その使い方はほとんどしていない。まとめて何枚もやるならアイロン台を出したほうが結局は速く、スチーマーの出番は「明日着る一枚を前の晩に整える」ときに寄っていった。
だから収納も、洗濯機のそばではなくクローゼットの近くに移した。服を選ぶ動作の延長で手が届く位置にあるかどうかで、使う回数がはっきり変わる。道具そのものより、置く場所を変えたことのほうが効果が大きかったというのは、家の中の道具でわりとよくある話だと思う。
洗濯まわりの手間は、道具を替えるより手順を替えたほうが効くことが多い。洗濯ネットをサイズ別に揃えた話や、ペダル式のゴミ箱に替えた話も、結局は動作を一つ減らしただけだった。
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