浴室のカビ取りは、掃除の中でいちばん後回しにしていた作業だった。薬剤の匂いがきついし、換気しながら数十分放置する必要があるし、そもそも生えてからでは手遅れ感がある。
それが、風呂上がりに壁と鏡を水切りするだけで、ほとんど不要になった。所要時間は一分もかからない。もっと早くやればよかった、というのが正直な感想だ。使っているのは浴室用のスクイージーを一本だけだ。
やっているのは上から下へ数往復だけ
手順というほどのものはない。最後に出る人が、鏡と、壁のうち水が飛んでいる面だけを上から下へ引く。全面をやろうとすると続かないので、腰から上の高さに限っている。床は放置している。
ポイントは、体を拭く前に済ませてしまうことだった。服を着てから戻ると、それだけで面倒になってやらなくなる。濡れたままの数十秒で終わらせる流れにしてから、やり忘れがほぼ消えた。
道具を選ぶときに見た点
- 吸盤やフックで浴室内に掛けっぱなしにできること(取りに行く必要があると続かない)
- 柄が短すぎないこと(高い位置を引くときにかがまずに済む)
- ゴムの部分が交換できるか、あるいは安価で買い替えられること
一つ目がいちばん大事だった。最初に買ったものは掛ける場所がなく、洗面台の下にしまっていたら一週間で使わなくなった。二本目は浴室のタオルバーに引っ掛けられる形状のものにして、それ以来続いている。
どれくらい減ったか
以前は月に一度、カビ取り剤を使って一時間近くかけていた。今は季節の変わり目に一度やるかどうかで、しかも生えている量が少ないので短時間で終わる。ゴムパッキンの黒ずみは完全にはなくならないが、進行の速さが明らかに落ちた。
鏡のうろこ汚れも付きにくくなった。水滴が乾くときに残る跡が原因なので、乾く前に落としてしまえばそもそも付かない。これは想定していなかった副産物だった。
湿気そのものを減らす方向では除湿機を使う手もあるが、浴室の壁に関しては拭いてしまうほうが早い。足元の水気についてはバスマットを見直した話のほうで書いたとおりで、こちらも別の対処が要る。
結局のところ、掃除の手間を減らす方法として効いたのは、強い薬剤でもなければ高い道具でもなかった。汚れる前に一分だけ手を動かす、という順番の入れ替えだけだった。掛けておけるタイプのスクイージーを一本置くだけなので、試すのも簡単だと思う。
続けるうちに気づいたこと
半年ほど続けてみて分かったのは、水切りをした日としなかった日の差が、翌日の匂いに出るということだった。壁に水滴が残ったまま換気扇だけ回していた頃は、朝に浴室を開けたときに独特の湿った匂いがあった。今はそれがほとんどない。
ただ、毎日きっちりやれているわけではない。疲れている日は普通に飛ばしている。それでも週に四、五回できていれば十分に差が出るようで、完璧を目指さないほうがかえって長続きした。
道具の寿命についても触れておくと、ゴムの部分は一年ほどで少しずつ硬くなり、水が残るようになる。買い替えの目安は「一往復で切れなくなったら」で、それまでは特に手入れもしていない。使い終わったあとに軽く振って水気を落とすくらいで、洗ってもいない。
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