押し入れの奥から、三年ほど使っていない小型のミキサーが出てきました。捨てるほど壊れてはいない、でも次に使う予定もない。この「壊れていないから残っている」家電が、うちには思っていたより多くありました。
数えてみたら9台あった
気になって家じゅうを一周し、直近1年で一度も電源を入れていない家電を数えてみたところ、9台ありました。ミキサー、卓上のホットプレート、古い電気ケトル、使わなくなった加湿器、写真をためたままのデジタルフォトフレームなど、どれも買ったときには必要だと思ったものばかりです。
問題は台数そのものより、置き場所を圧迫していたことでした。よく使う家電の手前に使わない家電が積まれていて、取り出すのが面倒だから余計に使わなくなる、という順番になっていたのです。
「いつか使う」に期限をつけた
これまで何度か処分しようとして、そのたびに「来年の夏には使うかもしれない」で止まっていました。今回は逆に、使う予定のほうに日付を入れることにしました。ホットプレートなら「年末に一度も出さなかったら手放す」、加湿器なら「今シーズン中に使わなければ手放す」といった具合です。
日付を決めると、判断を先送りしているだけなのか本当に使う予定があるのかが、自分でもはっきりしました。9台のうち5台は書き出した時点で「その日付が来ても使わないな」と分かってしまい、その場で手放す側に回っています。
手放すより時間がかかったのは付属品の仕分け
思わぬ手間だったのが、本体とは別に保管していた付属品でした。専用の電源アダプター、替刃、予備のフィルター。本体を手放したあとも引き出しに残っていて、どれがどの家電のものか分からなくなっていたものもあります。
結局、付属品だけで小さな箱ひとつぶんが不要になりました。次からは本体と付属品を同じ場所にまとめておこうと決めています。配線類の整理についてはコードリールでまとめた話に書きました。
棚卸しを終えて空いたのは、押し入れの下段ひと区画ぶんです。そこに普段使いの掃除道具を移したら、出し入れの手間が減って結果的に掃除の頻度が上がりました。収納の高さを絞った話は吊り戸棚をやめた記事にまとめています。
手放し方は種類ごとに分かれた
実際に処分する段になって、家電はまとめて同じようには出せないと知りました。自治体の区分では、小型のものは回収ボックスに入れられる一方、加湿器のようにある程度の大きさがあるものは別の扱いになります。事前に自治体の案内を見ておかないと、玄関先まで運んでから出し直しになりかねません。
電池が入ったままのものも一台ありました。液漏れしていなかったのは運が良かっただけで、長く放置するなら電池は抜いておくべきだったと反省しています。手放すと決めた日にまとめて確認するのではなく、しまう時点で抜いておくのが本来の順番でしょう。
残した4台には置き場所を決め直した
手放さずに残した4台についても、そのまま元の場所に戻すのはやめました。使う季節が決まっているものは季節ごとの箱にまとめ、年に数回しか出さないものは奥ではなく取り出しやすい高さに移しています。奥にしまうと使わなくなり、使わないから手放す候補に戻る、という往復を断ちたかったからです。
実際、置き場所を変えた卓上ホットプレートは、その後の冬に二度出番がありました。手放すかどうかの前に、取り出しやすさを変えるだけで判断が変わることもあるようです。
年に一度、季節の変わり目にこの数え直しをやると決めました。捨てるかどうかを毎回悩むより、数える日を先に決めておくほうが気が楽です。
調理器具のほうも同じ日に見直した
家電を数えたついでに、台所の道具にも同じものさしを当ててみた。
判断に使った四つの問い
- この一年で使ったか。使っていなければ次へ
- 使わなかったのは、しまう場所が悪かったからか。そうなら置き場所を変えて三か月様子を見る
- 他のもので代用できるか。できるなら手放す
- 手放したあと、必要になったら買い直せる値段か。買い直せるなら手放す
四番目を入れてから決めるのが速くなりました。「もう手に入らないかもしれない」という不安が、判断を止めていた正体だったからです。
残したもの、手放したもの
残したのは、代わりがきかない形のものでした。特定の鍋にしか合わない蓋や、大きさが唯一のざるなどです。逆に手放したのは、似た役割のものが二つ以上ある道具でした。
意外だったのは、高かったものほど使っていなかったことです。値段を理由に残していたものは、その後も使いませんでした。
減らしてから変わったこと
引き出しに余裕ができて、探す時間が減りました。ただ、一度だけ手放したことを後悔した道具があります。年に一度しか使わないけれど、その一度では代用が効かないものでした。使用頻度だけで切ると、こういう取りこぼしが出ます。
今は「年に一度でも、その場面で代わりがないもの」は残す、という条件を足しています。
一度に全部やろうとして失敗した
最初の週末に引き出しを全部出して仕分けようとしたのですが、途中で判断が雑になりました。疲れてくると「とりあえず残す」に倒れるので、後半はほとんど減っていません。
二回目は、一日に一つの引き出しだけと決めました。十分で終わるので判断が最後まで持ちます。全体を見渡せないという弱点はありますが、結果的にはこちらのほうが減りました。片付けは体力の配分の問題でもあるのだと思います。
手放すと決めてからの置き場所
その場で処分せず、箱にまとめて一か月置くようにしました。この間に使いたくなったものは戻します。実際に戻したのは一つだけでしたが、この猶予があるおかげで判断が速くなりました。
迷うものを迷ったまま手放すのは気が重いので、迷いを保留できる場所を作るほうが先だったようです。一か月経ったら中身を確認せずに処分する、と決めておくのも大事でした。開けてしまうとまた迷います。
増やすときにも使えた
この見切りは、新しく買うときの判断にもそのまま使えました。買う前に「代用できないか」「必要になったら買い直せる値段か」を考えると、勢いで増やすことが減ります。手放す基準と買う基準が同じ言葉になったのは、思いがけない副産物でした。
引き出しが片付いた状態を保てているのも、減らしたからというより、増えにくくなったからだと思っています。片付けは一度やって終わりではなく、入ってくる量のほうを変えないと戻ってしまいます。
食器を半分に減らしたときの引き際
家電より難しかったのが、数の多い食器のほうだった。
使っているのは同じ6枚だった
2週間ぶん、どの皿を使ったか記録してみました。結果は分かりやすくて、登場したのは6枚だけ。しかもそのうち4枚は毎日使っています。棚にあった残りは、2週間で一度も出番がありませんでした。
理由を考えると、手前にある取りやすい皿しか使っていないのです。奥のものを取るには手前をどける必要があり、その一手間を避けていました。
引き際を決めた三つの問い
減らすにあたって、一枚ずつ次の三つを考えました。
- この1年で一度でも使ったか
- 同じ用途の皿が他にあるか
- 欠けや傷が入っても惜しくないか
三つ目が意外と役に立ちました。惜しいと感じる皿は、実は使うのをためらっている皿でもあります。大事にしまっているつもりで、単に使えていないだけでした。
減らしたあとに変わったこと
枚数を半分ほどにしたら、洗い物のたまり方が変わりました。予備がたくさんあると、洗わずに次の皿を使ってしまいます。数が少ないと、その日のうちに洗う以外の選択肢がなくなりました。
食洗機に入る枚数とも釣り合うようになって、一度で回しきれるようになっています。入れられないものを減らした話は妥協点の記事に書きました。
減らして困ったのは、来客が3人以上のときだけです。そのときは取り分け用の大皿を1枚出せば足りるので、常備しておく必要はありませんでした。棚の高さを絞った話は吊り戸棚をやめた記事にもまとめてあります。
手放し方に少し時間をかけた
減らすと決めてからも、割れ物なのですぐには動けませんでした。自治体の区分では陶器は燃えないごみ扱いで、しかも一度に出せる量に制限があります。結局、3回に分けて出しました。
いただきもので未使用のまま箱に入っていたものは、使ってくれそうな人に声をかけて引き取ってもらっています。捨てるのが忍びなくて残していたぶんなので、この形に落ち着いてようやく気が済みました。
増えないようにする側の対策
減らしたあとに考えたのは、また増えないようにするにはどうするかです。今は「1枚買うなら1枚手放す」と決めていて、これは今のところ守れています。
難しいのはいただきもので、こちらの意思とは関係なく増えます。そこは無理に断らず、半年使わなかったら手放す対象に入れる、という扱いにしました。受け取る側で線を引いておくと、その場で気まずい思いをせずに済みます。
棚に余白があると、出し入れそのものが軽くなります。枚数を減らして一番良かったのは、実はそこかもしれません。
最後に、記録を取ったのが効いたことは書いておきたいところです。頭の中では「けっこう色々使っている」つもりでしたが、実際に書き出すと6枚しかありませんでした。減らすかどうかで迷っている段階では、判断材料が思い込みしかありません。2週間だけでも数えてみると、話が早く進みます。皿に限らず、道具の数で悩んだときは同じやり方が使えそうです。


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